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主の恵みに委ねられて出発した

テーマ 神の宣教
聖書 使徒言行録 15章36~41節
2017年7月9日      主日礼拝             牧師 左右田 理

 本日の聖書箇所冒頭の“数日の後”…それは世界初の教会総会から数日後、激しい
意見の対立と論争が一定の妥結に至ってから数日後、ということでした。(15:1~35) 伝
道者パウロにとってその総会は、宗教儀式、社会的慣例において不適格と見なされて
いる者たちが適格者として明らかにされた論争の場でした。(1コリント11:19) 伝道、証しの
日々は戦いの日々でもあります。しかしそれは人の知恵や力による戦いではありませ
ん。ひたすら十字架の主の言葉を誇り、掲げ続ける戦いです。(1コリント1:18,30) 疲れも
まだあったかも知れませんがパウロたちは出発しました。従来の秩序において不適格
とされてきた者たちと囲む食卓に起こる神の養い(ヨハネ4:34)にすべてを委ねて。
 適不適を逆転させる十字架の救いは従来の秩序に対する問い直しであり、挑戦となり
ます。(ヨハネ9:39~41) 伝道、証しの前に迫害が立ち塞がる現実は避けられません。そこ
には倫理以上に忍耐、勇気が必要とされる現実があったことでしょう。(ヨハ黙21:8) 本日
の聖書箇所で、以前の伝道で挫折、離脱したマルコに再びチャンスを与えようとしたバ
ルナバに対し、パウロは忍耐、勇気が必要とされる伝道の現実を訴えて譲らなかったよ
うです。この衝突は妥結に至ることなく双方は別々に伝道することになりました。対立し
た意見の適不適もすべて益としてくださるキリストの明日に委ねて。(ローマ8:28)
 マルコがその後どうなったのか、使徒言行録には描かれていません。ただ、いわゆる
パウロ書簡にはマルコという名前が登場します。同じ名前でも別人かも知れません。た
だ激しい対立、論争の妥結点を見出してまだ日も浅かった初代教会にとって、当時の代
表的伝道者たちの分裂はかなりのショックだったはずです。そしてパウロ署名の手紙に
マルコという記述があれば誰もがその騒動を思い起こしたことでしょう。しかしその手紙
から見えてくるのは和解の福音の希望でした。(コロサイ4:10、2テモテ4:11、2コリント5:19)
 キリストの証し人である私たちのわざは、いつでも罪人のわざです。キリストの赦し、平
和、恵みの支配によって生かされていくわざです。(ガラテヤ2:19~20) 伝道活動にともなう
私たちの思惑、期待は挫折したり覆されたりすることでしょう。しかし伝道そのものは人
知を越えたご計画として必ず実を結ぶのです。「…御心が行われますように、天におけ
るように地の上にも。」(マタイ6:10)


by hachimejibap | 2017-07-26 11:00 | メッセージ

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