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共に永遠の住まいへ

テーマ 神の国
聖書 ルカによる福音書 16章1~13節
2017年6月18日      主日礼拝              牧師 左右田 理

 本日の聖書箇所は徴税人をめぐる物語(ルカ15章)に続く例え話です。徴税人は いわ
ゆる税金取りですが、神の国イスラエルの国庫を潤すための役人ではありません。逆
にイスラエルの富を、イスラエルを侵略し支配しているローマ帝国へ運び去る仕事でし
た。抑圧者の権力を後ろ盾に同胞から金を巻き上げる非国民、国賊でした。つまり徴
税人とは、被支配者であるイスラエルにとって“利敵行為”に生きる裏切り者以外の何も
のでもありませんでした。しかしイエス様はそのような徴税人を排除せず、共に生きよう
としました。多くの痛み、傷みの中にある人を慰め、病人を立ち直らせ、死人をよみがえ
らせたイエス様はイスラエル社会において癒しの主でした。しかし同時に、徴税人を受
け入れたイエス様は利敵行為の先導者として十字架の死へ向かうことになるのでした。
 本日の聖書箇所に登場する管理人の最初の不正について詳細は不明ですが主人の
財産を目減りさせたと考えられます。管理人は失格者として主人のもとを追放されるわ
けですが反省するどころか、もっと主人の財産が目減りする方向で活動し始めます。不
正に不正を重ねたと言えましょう。ところが主人は第一の不正など無かったかのように
第二の不正を褒めるのです。主人の財産をますます目減りさせてでも主人に負債のあ
る人々のその負い目を軽くする者は永遠の住まいを得るのだと褒めたのです。
 本日の聖書箇所の管理人は徴税人を、主人は神さまを、そして主人の財産は神の国
の“聖さ(きよさ)”を指しているのではないでしょうか。(レビ20:7) そしてその“聖さ”
こそが徴税人など罪深いとされていた者たちにとって“近寄りがたさ”となっていたので
はないでしょうか。(ルカ18:9~14) 自らを清く保つどころか神の面汚しというような負い
目が増し加わる日々…しかしイエス様がお話しくださった不正な管理人は良心の呵責で押
し潰されたりしないのです。“生きる”ことに集中するのです。しかも“負い目を抱えた
人々と共に生きる”ことに。するとイエス様が証しする神さまはその生き様を褒めたので
す。神の国の“聖さ”を侵害した多くの人々をその負い目から解放する生き様として。
(16節) 聖なる神は神の国を惜しみなく与えてくださろうとしています。そして世のあら
ゆる負い目が赦されていくことこそ聖霊の使命です。ですから私たちは“共に”神の国に
向かうとき、すでに赦し合いの中に生かされているのです。(ルカ12:31,12:32,11:13,11:4)


by hachimejibap | 2017-07-26 07:00 | メッセージ

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