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われらを憎む者の手からの救い

テーマ 救いの契約
聖書 ルカによる福音書 1章67~75節
2016年12月25日    クリスマス礼拝            牧師 左右田 理

 福音書にはバプテスマのヨハネという人物が登場しますが、彼は救い主イエス・キリ
ストの道備え役、露払い的な存在です。本日の聖書箇所では、そのヨハネの父親である
ザカリアが、キリストの降誕を預言する、クリスマスの賛美を捧げています。ザカリア
は宗教社会の祭司職にあり、民衆と神との執り成し役でした。彼の賛美から見えてくる
のは、神の平和が、この世の敵対関係によって霞んでしまっていた現実です。(申命記
28:20,29) 執り成しの祈りがなかなか成就しない現実、民衆が傷つけられ、その命が
奪われていく現実と向き合い続けてきたザカリアの うめきが背後にあって、このクリス
マスの預言、その賛美があふれ出たのです。(67節、ローマ8:26)
 イスラエルの歴史において、救いの契約は聖なる契約として覚えられてきました。(72
節) 民は、救い主の到来を、かつて周辺諸国を支配下に置いた軍人ダビデの末裔とし
て待ち望んでいました。(69節) すなわち、敵対関係の克服、神の平和を、敵が駆逐さ
れ、滅ぼされていく展望として民は期待していたのです。しかし救い主イエスは、敵対
関係の克服について、民の期待を裏切る生き方を指し示しました。イエスの証しする聖
なる契約、その成就としての神の平和は、敵を愛する神を まことの神として信じ、受け
入れるところにあったのです。(ルカ6:27~28,35~36)
 なぜ、愛に満ちたお方が十字架に掛けられ殺されなければならなかったのか…人は、
自分を救う者は味方と見ますが、敵を救う者は敵と見ます。自分を救った者が、敵を救
おうとするなら、裏切り者と見ます。こうして、あらゆる命を愛するイエスは、あらゆ
る人にとって裏切り者となっていく定めでした。聖なる契約は、神は、たとえ天の栄光
を傷つけられても なお、世をまったく愛しているということを証しするために、愛に満
ちていればこそ排除され、見殺しにされていった十字架の道を、この罪の世に創造したの
です。
 聖なる救いの契約は、天の みこころが降りてきて、自分たちが傷つかないよう、地上
を囲い込んでくれる明日を証ししているわけではありません。敵対関係に十字架の愛と
平和をもって臨む神の みこころが、まるで天に行き渡っているかのように、この地にも
広く行き渡る明日を証ししてくれているのです。聖なる救いの契約に聴き、主の祈り(新
共同訳聖書(マタイ6:9~13)+日本キリスト教協議会統一訳頌栄)を共に捧げましょう。
by hachimejibap | 2017-02-14 12:30 | メッセージ

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