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神の前に豊かに

テーマ :永遠の命
聖書 ルカによる福音書 12章13~21節
2016年6月5日                          牧師 左右田 理

 福音書にはところどころで、イエス様の不思議な振る舞いが記されています。たとえば
娘の助けを願う女性の訴えに、すぐさま応えようとされなかった場合もありました。(マルコ
7:26~27) 本日の聖書箇所でも、助けを求めている人の生活費のゆとりを確かめた上
で、一連の会話を始めておられるわけではありません。キリストの恵みは、人としての
情緒、いわゆる人情によっては納得し切れない出来事なのでしょう。なぜなら、キリスト
の恵みは、人知を越えた“神の”言葉だからです。(ローマ9:14~15)
 財産、環境、人間関係…さまざまな「所有」によって人の幸福度が測られるということ
は、世の常です。しかし「所有」に対する“神の”言葉は、「どんな所有も、あなたの手を
離れて他人の手にわたるときが必ず来る」、というものです。(20節、コヘレト6:1~2) ですか
ら、イエス様の言葉、キリストの恵みもまた、所有による幸福度に貢献することはありま
せん。所有そのものではなく“手放すこと”に貢献する十字架の言葉であり、十字架の
恵みなのです。ですから主のご加護もまた、所有権の永久保証ではありません。いつ、
どこで、誰が、誰に対して、何を、どのように手放せば良いのか、その正しい“手放し方”
を導き守ってくださることこそが、主のご加護です。(33節) 手放すという目的(幸い)のた
めに、獲得や所有という手段(道具)が備えられているのです。(使徒言行録20:35)
 私たちは悩み事について祈り、訴えても、その悩み事が解決、解消されていくとは限り
ません。なかなか解決の光が見えないばかりか、逆に、ますます混乱していくように見え
るような場合だってあることでしょう。しかし、じつはキリストの言葉は、その悩み事がど
のように解決していくのかについては神に委ね、手放すよう招く言葉として、すでに生き
て働いてくれているのです。ですから私たちキリスト教会は、“共に”十字架の主を仰ぎ
つつ、それまで抱えていた悩みを“共に”委ね、そのつど十字架の言葉が指し示す神の国
の課題、永遠の命の課題に向けて“共に”前進していきましょう。(31節)
 当教会は今、「広く共に生きる群れ」として、「絶えず新しい言葉に生きる」群れとして
歩み始めています。戦時中、そして戦後も日本の軍備拠点としての苦難を背負わされ
ている沖縄…この6月は沖縄を覚える「命どぅ宝」の日を、十字架の言葉によって指し示
される永遠の命を受ける日として、心新たに、共に迎えようではありませんか。
by hachimejibap | 2016-06-11 15:50 | メッセージ

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